つぶやき前ちゃん

2024年06月10日 06:40

幼き頃  私というもの   その5
〈小学校の頃  先生との出会い〉
私の通う小学校は、明治時代に建てられたのだと思う。校舎の真ん中に門が有り、その両側に教室がずらっと並んでいる。真ん中に廊下が真っ直ぐ通り、突き当りに講堂、反対側は給食室。昔ながらの構造をしたかなり大きい学校だ。校庭は、1周400メートルのトラックがあり、周りは桜の木でいっぱいだ。端にひょうたん池があり、こちらを向いた二宮尊徳がお決まりで立っていた。
さて、5年生になり、担任の先生がかわった。きちんとネクタイをしてチョッキを着て、身長180ぐらい。でも、頭にいつも手ぬぐいを喧嘩かぶりしてくるのだ。後ろの方でガチャガチャやってると、すかさずチョークが飛んでくる。げんこつで叩きはしないが、グリグリやられる。しかし、1人1人をよく見ていてくれたのだ。弁当も一緒に食べ、掃除も一緒にした。ある日の授業・・・『着ている物は同じでも、ちゃんと洗濯して着なさい。ほころびは、つぎはぎをして。女の子は、身だしなみが大事。髪はとかしなさい。親は共稼ぎなんだから、家の手伝いをしなさい。』戦後しばらくたってはいるものの、まだまだ貧しい田舎の先生のお言葉。またある日、先生の宿直の日に、生徒5人内緒で泊まる事になった。職員室にラーメンを取ってくれて、皆んなで色んな話をしながら食べた。なんかワクワクした。禁断の校長室にも入れてくれた。夜になると怪談してくれて、1人ずつ懐中電気1つで校舎の端の講堂へいって、先生が準備した人形を持ってくるという怖い遊びもした。また、ある日、学校の廊下を掃除当番が雑巾がけの最中、廊下の板のささくれが親指と人差し指の間を貫通して大変な事になった。先生は、そのささくれをノコで切断して
、そのまま抱き抱えて病院に走っていった。手ぬぐいを喧嘩かぶりのまま、裸足で。

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